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調査•評論•提言
安倍晋三自民党総裁・衆議院議員・内閣総理大臣の2014年分政治資金収支における特徴
2017.03.09
はじめに・・・安倍晋三について(主要経歴)
・・・本人のHPのプロフィールhttp://www.s-abe.or.jp/profileから一部抜粋
1954年 衆議院議員・安倍晋太郎の二男として生まれる
1979年 株式会社神戸製鋼所入社
1982年 外務大臣秘書官
1993年 衆議院議員初当選(その後、連続当選)
2000年 内閣官房副長官(第二次森内閣)、内閣官房副長官(第二次森改造内閣)
2001年 内閣官房副長官(第二次森改造内閣)、内閣官房副長官(第一次小泉内閣)
2002年 内閣官房副長官(第一次小泉改造内閣)
2003年 自由民主党幹事長
2005年 内閣官房長官(第三次小泉改造内閣)
2006年 第90代内閣総理大臣
2007年 内閣総理大臣を辞任
2012年 自由民主党総裁
2012年 第96代内閣総理大臣
1 安倍晋三の政治団体について
安倍晋三の政治団体は、政党支部を含め以下の6つである。
「自由民主党山口県第4選挙区支部」、「安倍晋三後援会」、「山口晋友会」、「山口政経研究会」、「東京政経研究会」、「晋和会」。
以上の6団体は、すべて「国会議員関係政治団体」である。
代表が安倍晋三である団体は、「自由民主党山口県第4選挙区支部」と「晋和会」の2団体であり、「晋和会」は安倍晋三の「資金管理団体」である。
ほかの4団体のうち、「安倍晋三後援会」、「山口晋友会」、「山口政経研究会」の3団体の代表(兼会計責任者)は「自民党山口健第4選挙区支部の事務局長」、http://jimin-yamaguchi.com/about/association/同支部の会計責任者(配川博之)であり、
「東京政経研究会」の代表は、「晋和会」の会計責任者(兼事務担当者)でもある別人(秋本治美)である。
上記6団体のうち、東京の議員会館が主たる事務所なのは、「晋和会」だけであり、ほかの5つの政治団体の主たる事務所は、すべて山口県下関市にあり、
その所在地は全く同じ住所である。
党費・会費を支払っている政治団体は、「自由民主党山口県第4選挙区支部」だけであり、その支払いをしている人数は、1758名だけである。
2 政治団体の収支全体の概要
上記6政治団体の2014年の「前年からの繰越額」の総額は約3億5935万円で、「本年の収入額」の総額は約2億252万円、「収入総額」は約5億6237万円であるが、6政治団体間の資金移動を除くと、「本年の収入額」の総額は約1億8472万円、
「収入総額」は約5億4408万円である。
上記6つの政治団体の2014年の支出総額は約1億8536万円だが、
6政治団体間の資金移動を除く「支出総額」は約1億6801万円である。
「翌年への繰越額」は3億7751万円である。
上記6政治団体のうち、「山口政経研究会」の収支はいずれもなく、「東京政経研究会」も収支はごく少額で、「山口晋友会」も高額な収支ではない。活動実態がほとんど見られない。
ただし、「東京政経研究会」は大手銀行に1億9691万円超の預金がある(H26.12.3)。
収支の中核は、「自由民主党山口県第4選挙区支部」、「晋和会」および「安倍晋三後援会」の3団体である。
3 収入の特徴
(1)主要な収入源の概要
安倍晋三の6政治団体の2014年の主要な収入源は、
「前年からの繰越額」3億5935万円超(東京政経研1億9849万円超、晋和会8779万円超、第4選挙区支部6428万円超、後援会872万円超など)のほか、
6782万円超の事業収入(後援会566万円超、晋和会6196万円)、
約4262万円の法人寄附(第4選挙区支部)、
3882万円超の政治団体寄附(第4選挙区支部2992万円超、後援会530万円、晋和会250万円、山口信友会110万円)、
3258万円の個人寄付(第4選挙区支部1880万円と晋和会1378万円)、
1920万円の交付金(第4選挙区支部)
である。
ただし、政治団体寄附3882万円超のうち、6政治団体間の寄附は1879万円あるので、それを除外すると純粋な政治団体寄附は2003万円超である(第4選挙区支部1753万円超、晋和会250万円)。
(2)事業収入
① 政治資金パーティー
事業収入6782万円超のうち、「晋和会」6196万円は、すべて政治資金集めのパーティーで、開催回数は3回、会場はいずれも東京の高級ホテル(ANAインターコンチネンタルホテル東京)、名称はいずれも「安倍晋三後援会朝食会」である。いずれの収入額は1000万円を超える大規模な特定パーティーであった。
それらの経費は計約471万円(200万円超、165万円超、105万円超)で、
その経費を差し引いたパーティー収益は5725万円で、収益率は92%もある。限りなく寄附に近い収入になっている。
② 「新春の集い」
残りの事業収入「安倍晋三後援会」566万円超は、政治資金パーティーではないようだ。その事業の名称は「平成26年安倍晋三新春の集い」であり、
その分の支出は「その他の事業費」(大会費)1426万円超のようである。
つまり、860万円の赤字である。
「安倍晋三後援会」の会費の支払い者は一人もいない(会費収入なし)ので、
この「新春の集い」に参加した者が山口県第4選挙区の者なら、
公職選挙法が禁止している寄附を行ったことになる疑いがある。
なお、「安倍晋三後援会」の「前年からの繰越額」は872万円超で、税金が原資の政党交付金を受け取っている「自由民主党山口県第4選挙区支部」から計530万円の寄附を受領しているので、これらで赤字860万円が補填されていることになる。
(3)寄附収入
① 企業献金収入
法人寄附約4262万円を受け取っているのは「自由民主党山口県第4選挙区支部」である。この法人寄附は、いわゆる企業献金が中心である。
以上のうち、寄附者の名称等が記載されない5万円以内の寄附は合計273万円で、
寄附者の名称等が記載されている寄附の合計は、3988万円超である。
その献金企業・法人数は、164である。
そのうち、下関市、山口市、宇部市など地元の山口県に所在地の企業・法人は49社・法人で、その寄付合計額は約1053万円であり、
近くの広島市、福岡市・北九州市、別府市など広島県、福岡県、大分県の企業・法人分は、9社256万円である(以上合計58社、約1309万円)。
つまり、164社・法人3988万円超のうち、山口県とその周辺県の企業・法人の政治献金は58社、約1309万円で、それ以外の方が多く、その分は106社・法人、約2680万円である。
そのうち、
東京都や千葉県の企業・法人の政治献金は、31社(そのうち東京29社)、1344万円、
名古屋市を中心に愛知県・岐阜県の企業・法人の政治献金は、41社(そのうち愛知県37社)、662万円、
大阪市を中心に京都など近畿の企業・法人の政治献金は、32社(そのうち大阪府23社、京都府4社)、656万円である。
要するに、山口県内の政党支部なのに、東京、名古屋、大阪など他の都県の企業・法人寄附の方が多いのである。
② 政治団体寄附収入
政治団体寄附収入は、「自由民主党山口県第4選挙区支部」が2992万円超、「安倍晋三後援会」が530万円、「晋和会」が250万円、「山口信友会」が110万円で、3882万円超であるが、そのうち、6政治団体間の寄附は1879万円であり、それを除外すると、純粋な政治団体寄附収入は2003万円超である。
その内訳は「自由民主党山口県第4選挙区支部」が1753万円超、「晋和会」が250万円である。
そのうち、寄附者の名称などが記載されない「その他の寄附」は約13万円である。
「自由民主党山口県第4選挙区支部」が23団体1740万円、「晋和会」が3団体250万円であるが、そのうち2団体は両方に政治献金している。
③ 個人寄附収入
個人寄付収入は、「自由民主党山口県第4選挙区支部」の1880万円と資金管理団体「晋和会」の1378万円で、合計3258万円である。
そのほとんどは、会社役員、法人理事や医師など高額所得者からの寄附である。
(4)高額な政治資金パーティー券購入企業・団体と政治献金企業・団体
① 高額な政治資金パーティー券購入企業・団体とその購入額
「晋和会」の一回のパーティーにつき20万円超のパーティー券を購入しているのは、
「日本医師連盟」が計200万円(100万円が2回)、
「富士フィルム(株)」が計140万円(40万円を1回、50万円を2回)、
「製薬産業政治連盟」が計120万円(40万円を3回)
である(一回のパーティーにつき20万円以下のパーティー券を購入している個人や法人などの氏名・名称は記載されない)。
② 高額な寄附をした政治団体とその寄付額
「自由民主党山口県第4選挙区支部」に政治献金した23団体1740万円、「晋和会」に政治献金した3団体250万円(そのうち2団体は両方に政治献金)のうち、100万円を超える政治献金をしている政治団体とその寄付額は、
「日本精神科病院政治連盟」(東京都港区)300万円(第4選挙区支部へ)
「日本保険薬局政治連盟」(東京都中央区)200万円(第4選挙区支部へ)
「日本薬剤師連盟」(東京都新宿区)200万円(第4選挙区支部へ)
「山口県医師連盟」(山口市)200万円(第4選挙区支部へ)
「日本薬業政治連盟」(東京都中央区)計150万円(第4選挙区支部へ50万円、晋和会へ100万円)
「日本医師連盟」(東京都文京区)計150万円(第4選挙区支部へ50万円、晋和会へ100万円)
「全国社会保険労務士政治連盟」(東京都中央区)100万円(第4選挙区支部へ)
「日本歯科医師連盟」(東京都千代田区)100万円(第4選挙区支部へ)
「日本柔道整復連盟」(東京都台東区)100万円(第4選挙区支部へ)
「全日本病院政治連盟」(東京都千代田区)100万円(第4選挙区支部へ)
である。
政治団体の名称のわかっている政治献金額1990万円のうち100万円を超える政治献金をした政治団体は10団体で、合計政治献金額は1420万円である。71%を占める。
また、「山口県歯科医師連盟」(山口市)は50万円の寄附を(第4選挙区支部に)しているので、「日本歯科医師連盟」の100万円の寄附と合計すると150万円になる。
「山口県薬剤師連盟」(山口市)は30万円の寄附を(第4選挙区支部に)しているので、「日本薬剤師連盟」の200万円の寄附と合計すると230万円になる。
「全国不動産政治連盟」(東京都千代田区)と「山口県不動産政治連盟」(山口市)はいずれも50万円を(いずれも第4選挙区支部に)寄附している(計100万円)。
なお、「日本医師連盟」は、前掲の政治資金パーティー券購入分と合計すると計350万円になる(政治資金収支報告書に記載分)。
③ 高額な政治献金をした企業・法人とその献金額
企業・法人の政治献金のうち、100万円を超える政治献金をしている企業・法人は、
「(株)ニトリホールディングス」(東京都北区)480万円、
「浜崎工業(株)」(名古屋市)210万円、
「シダックス(株)」(東京都渋谷区)150万円、
「(有)山水地所」(東京都新宿区)120万円、
「(株)ライジング企画」(山口市)100万円、
「(株)ライジング」(宇部市)100万円、
「(株)浦松興産」(別府市)100万円
である。
(5)交付金
1920万円の交付金を受け取っているのは、「自由民主党山口県第4選挙区支部」であり、そのうち、計1900万円は「自由民主党本部からの交付金」である。
4 支出の特徴
(1) 家賃支出
①下関市の事務所家賃支出
「自由民主党山口県第4選挙区支部」は、毎月事務所の家賃を2者に支払っている。
毎月合計20万円で、その合計支出額は240万円。
「安倍晋三後援会」「山口信友会」「東京政経研究会」は、事務所を間借りしているようで、それぞれ48万円ずつ、計144円を賃貸料として「自由民主党山口県第4選挙区支部」に支払っていると記載している(もっとも、第4選挙区支部は3政治団体からの寄附を受領したとして記載している)。
つまり、「自由民主党山口県第4選挙区支部」が実質的に支払っている事務所家賃は、96万円ということになる。
なお、「警備料」「レーザーセンサー警備料」「カメラシステム警備料」計36万4488円を支出しているのは、「山口晋友会」である。
事務所家賃の支出先の一つは、個人(長門市)であり、毎月8万円、計96万円であるが、
もう一つは、「(株)東洋エンタープライズ」(下関市)である。
その家賃額が毎月12万円、計144万円である(合計240万円)。
その「(株)東洋エンタープライズ」は、「自由民主党山口県第4選挙区支部」に対し、年間48万円の政治献金をしている。これを差し引いた実質的な事務所家賃は96万円になる。
なお、「山口政経研究会」は、まったく収入も支出もなく、事務所家賃の支出もない。
②東京の議員会館の無償提供の不記載
東京の資金管理団体「晋和会」の主たる事務所は、「衆議院第一議員会館」の一室であり、事務所家賃の支出をしてはいない。
しかし、「衆議院第一議員会館」は国の所有であるから、国が無償提供していることになるので、「晋和会」は事務所費(賃料)相当分の寄附を受けた旨記載しなければならないが、その記載はない。国が無償提供してはないからであろう。
つまり、「晋和会」は、国から無償提供を受けていないのに、「衆議院第一議員会館」の一室を勝手に事務所として利用していることになる。
(2) 高額すぎる「ガソリン代」支出と「代行タクシー代」支出
①異常に高額すぎる「ガソリン代」支出
「自由民主党山口県第4選挙区支部」の「ガソリン代」支出額は約496・5万円もある(1月42万9288円、2月44万0246円、3月38万4113円、4月33万1562円、5月37万4857円、6月34万8354円、7月43万1521円、8月43万2102円、9月49万4325円、10月40万4978円、11月45万1144円、12月44万2245円)。
2011年の「ガソリン代」は約592万円で、単純計算で「地球13周分に相当」し、距離にして約54万キロに及ぶ、と報じられているので、その計算が正しいとすれば、
2014年の「ガソリン代」は単純計算では地球11周分に相当しそうである。
明らかに異常に高額すぎる「ガソリン代」支出額である。
なお、東京の「晋和会」の「ガソリン代」は、以上とは別に支出されている。
② 「代行タクシー代」「タクシー代」「運転代」支出
以上のように異常に高額すぎる「ガソリン代」支出があるが、 そのうえ、「自由民主党山口県第4選挙区支部」は「代行タクシー代」「タクシー代」「運転代」の支出をしている。その合計額は、約170万円である(1月13万6020円、2月14万9020円、3月7万9580円、4月14万4150円、5月13万1080円、6月14万2320円、7月11万9810円、8月20万2490円、9月19万1890円、10月15万8420円、11月8万0320円、12月16万8480円)。
(2)「飲食代」(飲み会)と会合費(宴会・飲み会)
① 「自由民主党山口県第4選挙区支部」の「飲食代」
「自由民主党山口県第4選挙区支部」は「飲食代」の支出をしている。
支出回数は29回で、その支出合計額は76万6818円である。平均すると1回の支出額は2万6442円になる。
② 「安倍晋三後援会」の「会合費」
「安倍晋三後援会」は、「会合費」として計71万9143円の支出をしており、そのうち、「飲料代」「会合費」「会合料理代」「会合会場代」「会合会場等一式」は、計69万1388円であり、その支出先は、ホテル(「東京第一ホテル下関」)や宴会場の事業を行っている会社(「シーモール商事(株)」)等である。
③ 上記「飲食代」「会合費」は「飲み会」「宴会」の支出!?
以上の「飲食代」「会合代」支出は、前述の「代行タクシー代」「タクシー代」の支出がなされていることから「飲み会」「宴会」の支出だったものと推察される。
この推察通りであれば、
政党交付金という税金を自由民主党本部から交付を受けている「自由民主党山口県第4選挙区支部」と「安倍晋三後援会」は、事実上の「飲み会」に、事実上の税金を含む政治資金を支出し、かつ、酔っぱらった飲み会参加者が帰宅等するために「代行タクシー代」「タクシー代」を事実上の税金を含む政治資金から支出していることになる。
以上は果たして政治活動のためのものと評しうるでしょうか?
(3)東京の「晋和会」会合費(飲食代)
東京の資金管理団体「晋和会」は、「組織活動費」の中の「行事費」の項目において「本会 会合費」という「支出の目的」で、43回の支出があり、その支出合計額は、298万円超である(ほかに「その他の支出」4万円余りがある)。1回の最高支出額は約39万円、1回の平均支出額は約7万円。
しかし、その支出先は、高級ホテル(ザ・キャピトルホテル東急、パノラマ・ホテル・ワン)、グルメな高級料理店(しゃぶしゃぶ・日本料理の「ざくろ」など)から判断すると、「飲食代」ではないかと思われる。
以上。